純国産絹ぐんまシルクと桐生絹織物の物語


くーる&ほっとは、純国産絹製品と日本製シルク製品(主に桐生織)の販売に携わせていただいている中で「ぐんまシルク」の良さを認識するとともに、良質な日本製・純国産シルク製品を必要としている人たちに提供し続けたいと考えました。

 

しかし、純国産絹製品を販売し続けるのにはいくつかの問題があるのに気づきました。

1.国内の養蚕農家や製糸工場、絹織物を織れる工場の減少

日本の養蚕業は急速に衰退しつつあります。群馬県では明治21年には県内世帯の57%が養蚕農家で、ピークは、明治34年の87,867戸ありましたが、それが平成17年には650戸となっています(参照 群馬県ホームページ 群馬の近代化を支えた養蚕 http://www.pref.gunma.jp/06/f2210011.html)。これに伴い国内のシルク産業に関わる製糸工場は国内2カ所しか現在は残っていません。

また、桐生市内でも桐生絹織物が織れる工場がだいぶ少なくなってしまった印象です。我々がシルク製品を商品化しようとする際に問題となるのがこの点で、シルク製品の商品化の話を工場に持っていってもシルクを織れる人が高齢化していたり、すでに廃業の準備をしていたりすることが多々あり商品化が困難を極めることがあります。

純国産絹製品を作るには多くの工程が発生します。
工程を大きく分けると「養蚕‐製糸‐精練‐染色‐整経‐織り‐縫製」となりますが、この一つ一つの工程は一つの会社の中で全てできるようなものではなく、それぞれ別々の会社や個人が受け持っていることが多いのです。ですから例えば、整経(織物の経糸として必要な本数や長さを設計し糸をセットすること)をする人がいなくなってしまったり、染色会社が廃業してしまっては、商品を作れなくなってしまいます。

 

2.輸入シルクの流入と純国産絹の価格高騰

安価な輸入絹糸・生糸の流入により純国産絹の需要が無くなり、国産シルクは生産量自体が大きく落ち込んでしまいました。「日本製」と書いてあるシルク製品であっても多くは原料を輸入品に頼っている状況です

純国産絹はますます手に入りにくくなり、価格も高騰しております。

しかし、最近は地域とぐんまシルク、シルク産業の再生のため桐生市内でも若い人たちが養蚕を始めるなどの運動を行っており、純国産絹の生産量も若干ですが増えたのではないかと実感しています。今後の動向に期待しています。

 

3.「日本製」シルク製品の正しい情報の伝わらなさ

くーる&ほっとは多くの人に日本製シルク製品を販売していく中で弊社の商品にお客様が「何を求めているのか」に向き合う機会がございました。皆様「日本製」シルク製品に求めているものは、安全性、安心感、高品質、ここちよさ、手触り、希少性・・・と様々ですが、はたして全ての「日本製」シルク製品がお客様のニーズに応えられているのかと判断した時、くーる&ほっとは縫製するだけで「日本製」とする商品の取り扱いを一旦中止しました。

シルク製品は日本国内「縫製」さえしていれば「日本製」として売ることができます。純国産絹製品とは製造コストの問題もあり高価になりがちです。また縫製だけを日本で行い「日本製」と表示されているものと、くーる&ほっとで扱っている商品を何の情報も無く比べられてしまうと、単なる高価な「日本製」シルク製品としか認識されない恐れがあります。販売者としてお客様のニーズに応えると共に商品の情報をきちんとお伝えする努力をしなければならないと感じました。

 

くーる&ほっとは、お客様に良質な日本製・純国産シルク製品を提供し続けるために、お客様に商品情報をお伝えすると共に、お客様に選ばれる商品づくり、地域社会への貢献を目指しています。



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